彼は、理想の tall man~first season~
なるほど、なんて思いながら、会話途中に運ばれて来たパスタを頬張った。
「中條さんは、ご兄弟は、上にお姉さんと、」
「2つ下に妹がいる」
「じゃ、サンドイッチなんですか?」
「え? ああ、サンドイッチって女と女の間って?」
「はい」
お姉さん以外にはいないのかと思っていると、どうやら中條氏は姉妹に挟まれた真ん中。
意外とも思えたけれど、話しやすい雰囲気があったから、私的には納得だった。
「女に挟まれてるから男兄弟って余計に憧れたかな。でもね、義兄もそうだけど、姉貴の義弟もなかなか社交的で、直ぐ仲良くなれたのが救い」
まあ、仲良くしてよって、初っ端の親族が集まる前に、姉貴から脅されたんだけどね――なんて。
中條氏はそう言って、その時のことを思い出しているのか、ちょっと苦笑い混じりの表情を浮かべていた。
「日本離れてた間に、姉貴の所に子どもが生まれてて。この間丁度誕生日で。それでお祝いがてらと、俺の帰国もあって集まった感じだったんだけど」
「いいですね、そういう家族の集まりって。なんか、憧れちゃいます」
うちには未だないし――っていうか、そういうのって想像つかない世界だ。