彼は、理想の tall man~first season~
「あの、お姉さんと妹さんとは仲良いんですか?」
「うちは、姉貴が最高に気が強くてさ、妹も姉貴を真似てんだか、気が強いんだよね。学生の頃なんか、女ふたりから口撃されて。まあ、そんなんだから、最悪だよね」
中條氏のげんなり顔に、やっぱり笑ってしまった。
「いや、笑ってるけど、本当にうちの姉貴と妹は最悪だから。お前ら女かよってくらい酷かったっていうか、酷いからね。尚輝と美紗ちゃんなんか、見てて微笑ましいよ」
「そう、ですか? でも、昨日は、恥ずかしい所をお見せしちゃって」
昨日の尚輝とのアレを微笑ましいレベルに受け取ってくれるって。
私の中じゃ、昨夜のひとバトルは、それそうなバトルだったんだけど――。
まあ、それを見られてしまったというのは、かなりの失態なんだけど――。
それを微笑ましいとか、本当にどれだけ広い懐なんだろう。
「尚輝は本当に美紗ちゃんのこと、大事に思ってると思うよ。見てても話してても、俺にはそれが伝わって来る」
「そう・・・・・・ですか?」
「うん――」
俺は年2~3回姉貴とすれ違うくらいが丁度いいけど――なんて言って中條氏は笑っていた。