彼は、理想の tall man~first season~
「うん。その後、智子とちょっと飲んでた」
「水曜だってのに元気だな」
「まあ、久し振りに智子と飲みたい気分だったから」
「ふぅ~ん」
「私、お風呂入って来るね」
まだスーツ姿だった尚輝。
帰って来たばかりだったのかなと思いながら、お風呂に向かって、私は汗ばんだ体をシャワーで流した。
明日は午後から村岡部長が会議だから、資料を朝一から作成して、部長が会議の間は――。
サッパリスッキリ状態でお風呂から上がり、明日の仕事の流れを頭で整理しながら髪を乾かして、ルームウェアに着替え、リビングに向かった。
「ねぇ尚輝、そう言えば、ご飯は?」
「帰りに食べて来た」
「そっか」
ヨガで疲れて飯作るの面倒だろうと思って――と。
微妙な気遣いを見せた尚輝は、スーツから着替え、Tシャツとスウェットという上下ラフな格好をしていた。
そしてその尚輝が、何故だか私の顔をジーッと見て来た――。
「な、なによ?」
「いや」
それは、明らかになにかを言いたさそうな顔だった。
再び、なによ――と、そう聞いてみたけれど。
「んー?」と、なにかを考えた様子。