彼は、理想の tall man~first season~

行為に及ぶ時は、それなりの雰囲気にはなるけれど。

そういう雰囲気でもない限り、全く以てただの友達という毅然とした雰囲気でいる。

それが、秘密の付き合いが長く続いていることに繋がっているんだろうと、私は勝手に思っていたりで。

秘密の共有者は、とことん付き合い易い人物なんだ――。


「いやーでも、この間は、尚輝に声掛けて正解だったわ」

「そうなの?」

「尚輝の奴、久々のプレーにしては、大活躍だったからな」

「ふぅん。あ、でも、尚輝は普段から色々鍛えてるから、やれちゃうもんなのかね」

「ああ、美紗も尚輝も、早朝からゴルフとかやってんだろ? 相変わらず、元気だよな」

「うん、お互い最低週2でジム通いはしてるし、たまに気が向くと、テニスとかもしてるし」

「マジか?」

「うん、って――前に話したことなかったっけ?」

「初耳じゃね? 尚輝ともこの間久々に会った感じだったし。最近忙しいからあんま連絡取ってなかったからな」

「まあ、そうだね」


つまみながら飲みながら、晃との会話は途切れることを知らない。

気を遣わずに話せる仲だから、飲んでいて楽しい相棒だ。
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