彼は、理想の tall man~first season~
晃がふぅんなんて返して来るから、私は戸惑った。
ただ、中條氏との今後を考えると、晃としていたそういう関係はやめようと思う自分は当たり前にいて。
だから、頭の片隅で話そうかを悩んでいたのも事実で。
この際だから、直接的ではなくても、それを伝えるのは、いい機会な気もして――。
「私、好きになりそうな予感はしてるんだよね」
勢い半分で、口を開いたのだけれど。
「――あ?」
直後、隣りに座る晃の雰囲気が一変。
低く、くぐもった声に、普段と違う晃がいて――。
だけど、引くに退けないことは間違いないから。
私は、だから――と、言葉を続けようとした。
けれど――
「お前、それで俺との関係終らせられると思ってんの?」
晃は凄んで来たんだ。
「っそれで、って、なに?」
かなり動揺した。
晃があまりにも変だから、私はかなり動揺した。
「勝手なこと言ってんなよ」
「ね、なにが? 晃だって、彼女がいた時は、そういうことしなかったでしょ?」
「お前、そんなん本気で信じてるって――相当おめでたいな」
「――え、なに?」
それは、私には見えない話だった――。