彼は、理想の tall man~first season~

顔立ちも整った顔で。

頭もそこそこよくて。

そんな晃が転校して先ず仲良くなったのは、同じクラスの尚輝だった。

部活も尚輝と同じバスケ部。

私と晃が仲良くなったのは、時間の問題という感じで、直ぐに仲良くなったんだ。


当時の晃は、尚輝と人気を二分したと言ってもおかしくないくらいに、モテ王だった。

その晃を、好きだと自覚したのは、友達が晃に告白をしている場面を見たからで。

一緒にいるのが当たり前になった晃を取られたくないって、その時に抱いた嫉妬心は、私の女を目覚めさせた。


見てしまった告白と、それで芽生えた感情。


晃が好きだって自覚をした時、その場から早く立ち去らなければいけなかったのに、私は動けなくて――。


だけど、

『ごめんね、俺、美紗のことが好きなんだ』

告白した子の目の前で、私に聞こえるように、その子に向かって言った晃に私は心底驚かされて。


ただ――尚輝がそれを聞きつけて、晃にそれ問いただし。

結局、晃のその言葉は、断るための口実だったってことで。


なぁーんだ、って。

期待してバカだったって。

私の乙女心は、木っ端微塵に砕け散ったんだ。
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