彼は、理想の tall man~first season~
「まだ、中坊だったあの時に、尚輝にも美紗にも嘘を吐いたことは、俺の中じゃ一生悔いることに変わりねぇんだけど、」
やっぱりあれはずっと後悔してた――と、晃は再びごめんと言った。
私の中での引っ掛かりは、晃もずっと引っ掛かっていたことだったのかな?
中坊だったあの時と聞いて、思わず晃に聞いてしまった。
「ねぇ、あの時のあれって、嘘だったの?」
「ん? ああ、そうだな」
ちょっと居心地悪そうに言った晃は、ウィスキーをグッと飲み干した。
「それって、なんで?」
今聞いておかないと、この先聞けるチャンスはない気がした。
だけど、返って来た言葉は、あまりにも予想外のことだった。