彼は、理想の tall man~first season~
どんな友達よって、智子には怒られるけれど、恋を諦めていた私には、そんな友達がいた。
仕事に追われる日々。
だけど、そういう中でも、人生は楽しみたい性分で。
まぁ、時間を割かないといけない男がいるわけでもなく、空いた時間は自分の使いたいように無駄なく使えるから、色々手を伸ばしたくもなるんだけれど。
スポーツジムに通って、ヨガにも通って。
土曜は早朝ゴルフと決めて、打ちっ放し。
体を動かしてリフレッシュしながら、ストレスは溜めないようにして。
体型維持にも努めたりで。
だから割と忙しくて。
でも、それは割と平坦でもあって。
別に恋なんてしなくたって――そんな感じの日々だった。
私には恋なんて必要ないと思っていたし、無理矢理出来るものでもないってことは、解っていたし。
ただ、そんな私の概念を、覆す人に出会うのは、案外近かったようで――。
その出会いは、当たり前に、なんの前触れもなく。
ある日、突然、本当に突然、意味不明にやって来た。