彼は、理想の tall man~first season~
初めて敦さんに会った時の美紗は、敦さんに対して割と好印象を抱いてた感じだった。
敦さんは美紗が気にしてしまう女の子な部分を気にする人ではなかったし。
敦さんにはそれを気にさせる要素が皆無だろうから、美紗には合うと、直感的に思った。
あの恋愛下手で恋愛不感症な美紗が、今、晃の気持ちを知ったとしたら――その気持ちをどう受け止めるのか。
敦さんに対して抱いていた感情は、どこに流れ行くのか。
お互いもう大人なんだから、いい加減ほっときゃいいって思うけど。
やっぱり美紗の事は、気にかけちまう。
まともな恋愛が出来ず、女として24年。
本人にとったら、結構それだけで辛いんじゃねぇの?
――みたいな。
共に実家を出た双子の片割れ。
美紗は昔から、なんだかんだで俺を必要としていたと、自惚れてもいい部分があったから。
俺以外で美紗の支えになってくれる誰か――。
本当にいい加減、どうにかしてやりたい。
妹という位置付けでも、同じ時間を共に生きた同士だから。
幸せになって欲しい。
「過保護すぎるか? でも、ほっとけねぇんだよな」
夜空に向かって、俺はそっと呟いた。