彼は、理想の tall man~first season~
明日、きっと美紗はどうしていいか分からず、敦さんとの距離に戸惑うだろうと思って。
初めて車を買う美紗を心配する振りをして、同行を決めた。
晃は悪い奴じゃない。
が、俺はやっぱり、晃と――というのは、しつこいようだけど考えたくはない。
勝手でも、自分の親友と言える近すぎる存在が、美紗の彼氏とか。
やっぱり俺には無理で、応援するなんて出来やしない。
敦さんも近い存在には違いないが、敦さんなら――。
これは完全に俺の勝手な主観だけど、義兄弟って、そういう括りになった時。
――そう仮定した場合、敦さんならなんとなくしっくり来る感じがするんだ。
こういうのは理屈じゃなくて、感覚的な問題だ。
それに美紗が昔言っていた理想の男に一番近い男は、敦さん以外にはいないような気がして。
何より、俺自身がその人を尊敬していて慕っている。
義の仲になるんでも、やっぱ兄弟同士の相性ってのは多少考えといた方がいい――。
お互いしか存在しない兄妹。
ここまで仲がいいと、お互いがそれぞれ相手を見つけ、それぞれの道を歩んでも、兄妹としての助け合いも交流も、やっぱり俺は必要と考える訳で。