彼は、理想の tall man~first season~
マンションの敷地内の公園周りを爽やかな日差しの中散歩。
そう言えば、ちょっと行った先に川があったと思い出し、その河川敷までゆっくりと歩いた。
犬でも飼ってたら、いい散歩道だな――と、遊歩道を歩きながら思い。
土手に腰を下ろして少年野球を眺め見下ろし、煙草に火を点けた。
昨日は流石に吸いすぎたなと思いながらも、やっぱり青空の下で吸う煙草はいいな――。
そんなことを思いながら、そこで1本消費。
ジムで体を鍛えたり、ヨガをしたりジョギングをしたり。
健康を気にしているようで、煙草を吸っている自分に矛盾を感じつつ。
だけど、やめられないんだよなぁ、なんて。
やめる気がないのに、思っていた。
野球少年達の「イケー」なんて聞こえてくる、元気ハツラツな声を聴いていると、私はいつの間にスレちゃったのか?
あの少年のような年齢の時も、それなりに何かは抱えていたんだろうけど。
今ほどスレちゃなかったよねとか。
「いいな、若いって」
オバサン染みた言葉をつい口に出してしまっていた。
さっき飲んだお味噌汁とちょっとのご飯が、いい感じに胃を刺激してくれたのか――?
私は急激に空腹に襲われた。