彼は、理想の tall man~first season~

マンションの敷地内の公園周りを爽やかな日差しの中散歩。

そう言えば、ちょっと行った先に川があったと思い出し、その河川敷までゆっくりと歩いた。

犬でも飼ってたら、いい散歩道だな――と、遊歩道を歩きながら思い。

土手に腰を下ろして少年野球を眺め見下ろし、煙草に火を点けた。

昨日は流石に吸いすぎたなと思いながらも、やっぱり青空の下で吸う煙草はいいな――。

そんなことを思いながら、そこで1本消費。

ジムで体を鍛えたり、ヨガをしたりジョギングをしたり。

健康を気にしているようで、煙草を吸っている自分に矛盾を感じつつ。

だけど、やめられないんだよなぁ、なんて。

やめる気がないのに、思っていた。


野球少年達の「イケー」なんて聞こえてくる、元気ハツラツな声を聴いていると、私はいつの間にスレちゃったのか?

あの少年のような年齢の時も、それなりに何かは抱えていたんだろうけど。

今ほどスレちゃなかったよねとか。


「いいな、若いって」

オバサン染みた言葉をつい口に出してしまっていた。


さっき飲んだお味噌汁とちょっとのご飯が、いい感じに胃を刺激してくれたのか――?

私は急激に空腹に襲われた。
< 189 / 807 >

この作品をシェア

pagetop