彼は、理想の tall man~first season~
◇◆◇
「ってかさぁ、美紗の理想の男ってどんな人よ?」
「理想の、男ねぇ・・・・・・」
「うん! あんまりそういう話って、したことなかったよねぇ?」
――大学2年の冬。
彼氏と別れた私は、大学に入ってから一番仲良くなった智子とふたりで居酒屋で飲んでいた。
智子からの問いに、答えなんか直ぐに浮かんだ。
でも、少し悩んで見せたのは、軽蔑されるんじゃないかって、そう思ったからだった。
「私よりも背が高くて、」
「うん」
「3日で見飽きるくらい美男子で、」
「うん、うん」
「あとは、性悪男でも別にいいかなー」
「はぁっ!?」
「最低ラインで、190だけどね」
「あはは、そんな男いるワケないじゃん!」
「うん。だから、私、冷めてるの」
「冷めてるって、美紗・・・・・・」
「で、もう、今回ので更に懲りたから、完全に諦めた」
私は絶対に、まともな恋愛なんて出来るはずないし。
だから、理想の男に出会えりゃラッキーくらいにしか、もう思わない。
そこそこ背が高くて、優しくて、イケメン――そういう男の人って、そこら辺にいなさそうで、実は結構いたりする。
だけど、それじゃあ、私には足りない。
今回も、いつものように足りずに終わった。
だから、多少性格が悪くても背の高い男が私には理想だった。
「ってかさぁ、美紗の理想の男ってどんな人よ?」
「理想の、男ねぇ・・・・・・」
「うん! あんまりそういう話って、したことなかったよねぇ?」
――大学2年の冬。
彼氏と別れた私は、大学に入ってから一番仲良くなった智子とふたりで居酒屋で飲んでいた。
智子からの問いに、答えなんか直ぐに浮かんだ。
でも、少し悩んで見せたのは、軽蔑されるんじゃないかって、そう思ったからだった。
「私よりも背が高くて、」
「うん」
「3日で見飽きるくらい美男子で、」
「うん、うん」
「あとは、性悪男でも別にいいかなー」
「はぁっ!?」
「最低ラインで、190だけどね」
「あはは、そんな男いるワケないじゃん!」
「うん。だから、私、冷めてるの」
「冷めてるって、美紗・・・・・・」
「で、もう、今回ので更に懲りたから、完全に諦めた」
私は絶対に、まともな恋愛なんて出来るはずないし。
だから、理想の男に出会えりゃラッキーくらいにしか、もう思わない。
そこそこ背が高くて、優しくて、イケメン――そういう男の人って、そこら辺にいなさそうで、実は結構いたりする。
だけど、それじゃあ、私には足りない。
今回も、いつものように足りずに終わった。
だから、多少性格が悪くても背の高い男が私には理想だった。