彼は、理想の tall man~first season~
そこには窮屈さなんてなくて。
一緒に歩いていても、ごく自然な自分でいられて。
私はやっぱりなんだか中條氏に惹かれていると、そう思った。
そこになにか理由があるかを問われれば、特にこれといった決め手はないけれど。
強いてあげるのなら、それは中條氏の雰囲気と、私との距離感かも知れない。
ただ、それは私の感覚的なものだった。
理屈で考えるより、本当に感覚的なものだ――。
少し見上げる目線の高さと、隣を歩いている時のお互いの距離が程よく。
近すぎず遠すぎず、いい距離が保てていたから。
よく相手のパーソナルスペースも考えずに、近寄って来過ぎる人も居たりする。
距離的感覚の部分が合わない人には、時として嫌悪感が生まれたりする。
でも、中條氏はその辺がとても過ごしやすいというか、接しやすいスペースを保ってくれていたりするから。
そういう部分で変にストレスを感じることもなく。
感覚的な部分で良いか悪いかで問われたなら、良い方に自然と気持ちは傾く。
だけどその距離的感覚は、どう考えても色恋には発展しない距離にも感じてしまう訳だけど。