彼は、理想の tall man~first season~
キッチンに並んで立ってると、やっぱり窮屈さを感じないし嫌悪感も感じない。
中條氏との程よい距離感を、いいなと思っている私がいた。
作った料理は、予め洗っておいた今日購入の食器に盛り付け。
新品炊飯器で炊き上がったご飯を盛り付け。
リビングにあるローテーブルに2人並び、一緒にご飯を食べることになった。
まだ、テレビも置かれていない殺風景な部屋。
外からの風を感じながら、静かな空間で、2人で「いただきます」なんて、声を揃えた。
「ああ、ワインならあるけど、飲む?」
「え? いやぁ――」
昨日の飲み過ぎによって、引き起きた今朝の頭痛を思い出し、一回は断った。
けれど、特に今日もなにもないし、少しだけならいいかなとか思って、図々しくも頂くことにした。
ちょっと待っててと、席を立った中條氏。
私と尚輝のマンションの部屋の間取りで言うと、私の部屋にあたるドアを開けた。
そこが中條氏の部屋なのかな。
そんな風に思いながら中條氏を待っていると、ワイン片手にリビングに戻って来た。
それから、用意してくれたグラスをこちらに持って、中條氏は再び私の隣りに腰を下ろした。