彼は、理想の tall man~first season~
chapter.13
「はっ? 美紗お前っ、ここで何してんだよ?」
「――は?」
私に向けられた、同居人の男の言葉に、中條氏は驚いていた。
私もまさかの人物の登場に激しく動揺中だから、そりゃあ当たり前だ――なんて思う、どこか冷静な私もいたりだけれど。
「なに、お前、あっちゃんと知り合い? ――は? お前あっちゃんの彼女? んなわけねぇよな」
こんな偶然とか、全くいらないのにと思った。
中條氏の隣に立っていたのは、見間違いだったらどんなにいいことだろうと思ったけれど。
間違いなく――つい昨日バッタリ駅で会って、その後一緒に飲んだ晃で。
変な汗が出てきそうな、そんな感じだった。
「お前と尚輝が住んでるのってやっぱこの辺なん? つうか、マジでなんでここにいんだよ」
「美紗ちゃんと尚輝って、晃の友達とか、そんな感じの仲なのか?」
中條氏もその偶然には驚いていたみたいで、私にそう聞いて来たけれど。
うんともすんとも言えなくて、私は黙って頷き返した。
「俺と尚輝と美紗は、中学ん時からの友達」
「凄い偶然だな、それ」
「あっちゃんは、なんで知ってんの?」
「俺は、会社で尚輝と」