彼は、理想の tall man~first season~

そう思っていた時、尚輝の車がロータリーに走り込んで来て、私の目の前で停まった。


尚輝のヤツめ、思いのほか時間がかかったじゃんか。

迎えを頼んだ側だけど、文句のひとつでも言っておかなきゃ気がすまない気分。

自分で買った物だから、重いのは自業自得と言えば自業自得。

だから、まぁ、完全に八つ当たりになるんだけど。

兎に角、予想以上に遅かったから、重みで腕が痛いんだ。


運転席から出て来た尚輝に、「遅い!」って、ひと言そう言おうと口を開きかけた――その時、

「すみません、お待たせしちゃって」

尚輝は私のほぼ隣りに立っていた、見た目パーフェクト男にペコッと頭を下げていた。


「いや、こっちこそ。 今日はいきなりで悪いな」

尚輝にそう返していたのは、見た目パーフェクト男。


ひとり蚊帳の外状態に陥っていた私の口からは、

「は?」

――なんて。

尚輝には届かぬ声で、マヌケな声が漏れていて、私を迎えに来たんでしょ!?とか、そんな突っ込みも入れられなかった。


尚輝の知り合いだったのか。

でも、私は知らない人だよね。

一体どういう知り合いなんだろう?
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