彼は、理想の tall man~first season~
同じ学部だった女の人に、なにか用があるのだろうか?
中條氏は、そういうのは今田とかの方が知ってるだろと、直ぐさま松本さんに告げたけれど。
私の心中は穏やかではいられなかった。
その後、松本さんが何かを言っている雰囲気で、中條氏は「うん」とか「ああ」とか、相槌を打ち。
けれど、突然声をなくして、私の方に視線を向けたのを、私は体の左側で感じた――。
運転中だから、ジッと見返すことは出来ないけれど。
ちらりと視線を向けると、小声でこの先のPA入れるかを聞かれ、私は黙って頷いた。
「んーいないこともない・・・・・・けど、本人に確認してみないことにはちょっとな。取り敢えず後で掛け直す」
中條氏は電話を切った。
そして、少し困った感じの溜息をもらした中條氏に、なにかあったのかなと意識は向いたが、もう少しでPAだったので、運転に集中。
その後、無事PAに入り、空いていた駐車場に車を停めた。
「ちょっと休憩しようか」
「はい」
車から降りて、お手洗い休憩。
そして飲み物を購入――というか、買ってもらってしまった。