彼は、理想の tall man~first season~
――background
『ってかさぁ、ミサの理想の男ってどんな人なのよ?』
『理想の、男ねぇ・・・・・・』
『うん! あんまりそういう話ってしたことなかったよねぇ』
『――私よりも背が高くて、』
『うん』
『3日で見飽きるくらい美男子で』
『うん、うん』
「女って、えげねぇな~」
『あとは、性悪男でも別にいいかなー』
『はぁ!?』
『最低ラインで、190だけどね』
『あはは、そんな男いるワケないじゃん』
「お前、クリアしてんじゃん」
「ん?」
『うん。だから、私、冷めてるの』
『冷めてるって、ミサ――』
「ざんねん! ここにいんのになぁ!」
『で、もう、今回ので更に懲りたから、完全に諦めた』
仕事帰りに同僚と立ち寄った、居酒屋。
ロールカーテンで仕切られた、見せ掛けだけの個室的雰囲気の空間は、四方八方から声が飛び交い、正直落ち着かず。
その中でも、特に真後ろの席の女の子の会話は、此方に丸聞こえだった。
ただ、彼女達の会話を、酒の肴と言わんばかりに、同僚の小川は、ひとり面白がっていた。
『ってかさぁ、ミサの理想の男ってどんな人なのよ?』
『理想の、男ねぇ・・・・・・』
『うん! あんまりそういう話ってしたことなかったよねぇ』
『――私よりも背が高くて、』
『うん』
『3日で見飽きるくらい美男子で』
『うん、うん』
「女って、えげねぇな~」
『あとは、性悪男でも別にいいかなー』
『はぁ!?』
『最低ラインで、190だけどね』
『あはは、そんな男いるワケないじゃん』
「お前、クリアしてんじゃん」
「ん?」
『うん。だから、私、冷めてるの』
『冷めてるって、ミサ――』
「ざんねん! ここにいんのになぁ!」
『で、もう、今回ので更に懲りたから、完全に諦めた』
仕事帰りに同僚と立ち寄った、居酒屋。
ロールカーテンで仕切られた、見せ掛けだけの個室的雰囲気の空間は、四方八方から声が飛び交い、正直落ち着かず。
その中でも、特に真後ろの席の女の子の会話は、此方に丸聞こえだった。
ただ、彼女達の会話を、酒の肴と言わんばかりに、同僚の小川は、ひとり面白がっていた。