彼は、理想の tall man~first season~
尚輝と中條氏は、一緒にそのコンビニに入って行った。
その後ろ姿を見ていた私は、中條氏が尚輝より背が高いことに気付き、珍しいと思っていた。
けど、あそこまで背が高いと、隣を歩くには、ちょっと勇気が要りそう・・・・・・。
背が高いと、それだけで無駄に目立つし、イチイチいらない視線を感じるし。
尚輝の隣りを歩いていても思うんだから。
中條氏の隣りも、当然のようにそうなんだと思った。
中條敦さん――か。
あの人が尚輝の上司の人だということが、ちょっと残念。
あれだけ背が高くて、顔も好みな人って、そんなに簡単には出会えないから。
尚輝の上司でなければ、ちょっと頑張ってたかも――って。
「あたし、なに考えてんだろ」
いきなりそんな思考に陥っていた自分に驚いた。
はぁ・・・・・・。
なんて溜め息が出た。
恋がしたい――そんな乙女な思考は、とっくの昔に捨てたハズのに。
「今更・・・・・・バカみたい」
そう呟いて、私はそっと目を閉じた。