彼は、理想の tall man~first season~

「晃は、美紗ちゃんの事が好きなのかな?」

「・・・・・・ぇ?」

「俺に釘さした意味がイマイチ解らないけど、」

「晃が、中條さんに、なにか言ったんですか?」

なんだろう。

聞くのが怖いけど、聞かないとダメだって、頭が勝手に反応してる。

緊張と闘いながら、返しを待っていると。


「うん――遊びなら他でやってって」

「そっ、そんなこと言ったんですか? 晃」


なに言ってるの、なに変なこと言ってるの!!

晃の発言に、私は逆に驚いた。


「友達だから大事に思ってるからなのか? それとも君のことが好きだから、俺にそう言って来たのか、真意がイマイチだけど」

「・・・・・・」

「昔、付き合ってたとか、そういう仲だったの? 2人は」

「――え?」

ピンと張りつめた空気が、私の周りを覆ったかのように、酷く耳鳴りがした。


「別に、そうだったからどうってこともないんだけど、一応確認しておこうと思って」

「そう・・・・・・ですか」


私には、この人との恋愛は――やっぱり無理な気がした。
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