彼は、理想の tall man~first season~

晃とは付き合ってはいない。

けど体の関係はありました。

なんて、言えないし――言いたくない。

端から見れば自分本位だって、そう取られても。

やっぱりそういうのって、知られたくない。


「美紗ちゃんさ」

「・・・・・・はい」

「昨日の返事、早めにもらえないかな」

「――え?」

「晃と話して、気が変わった」

「どういう、意味、ですか?」

「なんでかライバル宣言されちゃったから」

「ライバル宣言って、誰がですか?」

「ん? 晃が」

「・・・・・・なんで?」

「やっぱり、それは美紗ちゃんのことが好きだから――ってことになるのかね?」


フッと笑った中條氏は、次の瞬間表情を変えた。


「あいつが本気なら、俺も本気出さないと」

「―――っ」


魅惑的な悩殺スマイルを向けられて、躍った心臓。

私は異様なまでにドキドキしていた。


「ライバルがいた方が、俺的には燃えるけど、」

「・・・・・・」

「俺の方が美紗の事を知ってるなんて言われちゃったら、」

「――え?」

「ケンカ売られてるとしか思えないでしょ?」
< 308 / 807 >

この作品をシェア

pagetop