彼は、理想の tall man~first season~
初対面の友達の友達とかで、それは何回か思ったことがある。
私的には、初めまして的な感じの流れから、お互い多少探りながら、それで徐々に距離を縮めて親しくなれれば御の字。
だけど、いきなり呼び捨てにされたり「美紗ちょーウケるー」とか言われて。
ギャハギャハ笑われた時は、軽く頭痛がしたものだ。
「ある程度、親しくなるまで、保って欲しい最低限のラインてあるじゃない」
「はい、それ、すっごく解ります」
「でも、美紗ちゃんとは、それは過ぎた時間だと思うから」
なんでもないって顔して歩く中條氏だけれど、そこでふと不安になった。
「あの、私・・・・・・最初の時、大丈夫でした?」
「ん? ああ、特になにも問題なかったけど?」
それを聞けて、ホッとした。
まあでも、多分――それこそ私が馴れ馴れしい人間だったら、今のこの関係には発展していないんだろうけど。
「合格、だったんですかね?」
「アハハッ、そうだね」
「良かった」
不安が安心に変わって、素直に笑っていた私は、それじゃあ、呼び名はどうしようかと再び考えた。