彼は、理想の tall man~first season~
「なか・・・・・・あ、つし君のお父さんも、息子には厳しい感じでしたか?」
「そうだね」
「私は父がいると、父にベッタリだったから」
「お父さん子?」
「はい・・・・・・かなり」
家を数日空ける父に甘えられるのは、家に居る時じゃないと出来ないと思っていたから。
私は中学に入っても、父にベッタリで、父を常に独占しているような状態だった。
「父とは、予定が合えば、未だに2人で出掛けたりもするし」
「へぇ」
「今になって思えば恥ずかしいですけど。高校生になっても、一緒にお風呂入ってたんです」
「え?」
「あ! 勿論タオル巻いて、ですけど」
「あ、ああ、そうだよね」
「友達には、だいぶ気味悪がられてましたね」
「んーでも、お父さんにしてみたら嬉しかったんじゃない?」
「うーん、そうだといいですけど」
どこに行くにもお風呂に入るにも、いつも私から押し切ってみたいなところがあったから。
実際のところ、嬉しいだなんて思ってくれていたか、定かではないけど。
そうだといいなぁ、なんて。