彼は、理想の tall man~first season~
高校生になって、その高校でもピカイチにモテた先輩と付き合うことになって。
だけど、ひょんなことからそんな卑猥な会話を耳にした。
最低な人だと知り、ショックを受けて。
自分はそんな扱いだったんだと知り。
恋なんて――って、思った苦い思い出。
そいうのが、高校生の時にガチでは1回、陰では不明。
それでも、恋がしたいと思っていた懲りない私は、大学生の時にも背問題に遭って。
それから色々面倒で心が疲れるからと、恋には手を伸ばさなくなった。
適度に適当にが、気楽でいい。
久々に晃に会いたいかも――なんて、珍しく思っていた私の耳には、
「結構気が強そうな子だな――でも、嫌いじゃねぇな」
尚輝にそう言った中條氏の声は、聞こえては来なかった。
そろそろ、誰かいい人――そんな風に時々ふと思ってしまうのは、やはり私が女だからなのか。
ただ、孤独死しなければいい。
死ぬ時に、男でも女でも、誰か傍にいてくれる人がいれば、それでいい。
そんな考えだから、女として生きることを、どこか諦めていたりもするんだけど――。