彼は、理想の tall man~first season~
スポーツ番組を見ながら、今日のサッカーを振り返って見ている尚輝と晃。
彼女はウィスキーのストレートを、数回に分けて飲み干した。
酒の中でもウィスキーが断トツに好きなんだろうと、少し緩んでいた彼女の表情から見て取れる。
結構ハードだった平日から、ちょっとハードだった休日。
唯、こういうのも悪くないと思いながら、俺は彼女と対面する形で、まったりと酒を飲んでいた。
晃が彼女をチラチラ見ているのが、多少気になるが――。
彼女はそれを気にも留めず、俺に話しかけてくれる。
可愛がっている会社の後輩の、その双子の妹と付き合い始め。
俺の同居人はその同級生で、俺の姉貴の結婚相手の弟。
なんともまあ、奇妙な関係だとも思うが。
あの時の彼女と付き合い始める事になったのは、果たして偶然か?
それとも必然だったのか?
付き合い方に多少の難しさも感じるが、先のことは俺にも未知たる世界。
なるようにしかならないだろうと思いながら、酒を飲み、彼女と瓶を空にした。
―中條 side end―