彼は、理想の tall man~first season~
「男になにを求めてんだか、」
――さっぱり解らねぇな。
小川は、楽しそうに笑いながら煙草をふかした。
確かにそうだ――と、そう思った反面、彼女が何故そう思うのか。
男にそれしか求めない、その理想というのは、なに故なのか?
その真意が、多少気になった。
少し酔っているような雰囲気はあるが、媚びた感じの甘さなどまるでない。
声だけの印象としては、女の子にしては、凛とした声。
そんな感じだった。
『――んとか、ないの?』
『え? 私が未練?」
『うん』
『うーん、全くない! それはない』
『まじで? 先輩かわいそう』
『ちょっと! 可哀想なのは私だって!』
『あのねぇ、ミサが選好みしなきゃ、付き合いたいって男は、わんさかいるんだからね?』
「アハハ、そりゃすげぇ! 一体どこぞの上玉なんだって話だけど」
「オイ、小川、聞こえるぞ」
小川の勝手な突っ込みに、何故か俺がヒヤリとしていた。
『そのわんさかの中に、いたらいいけど、190以上の男』