彼は、理想の tall man~first season~
まあ、私からも連絡は、何もしてはいない。
けど――向こうから言って来たんだから、主導権は握っていて欲しい。
なんて思ってしまうのは、私の身勝手な考えなんだろうけど。
でも、そもそも、敦君に――好きって気持ちがあるのかさえ解らないんだ。
期待をするだけ、無駄なようにも思えてきた。
唯、こんなにも音信が無いと、やっぱりこの間の事は、冗談だったんじゃ――って、思えてくる。
単に尚輝と敦君で私をからかっていただけなのかな。
でも、そんな風には思えないというか、思いたくないけど。
恋愛なんて、やっぱり私には無理かも。
こうやって変に振り回されるから――心を乱されるから――嫌なんだ。
恋を知らなければ、こういう感情に振り回されずに済むのに。
良い時は、それがいいと思えるのに。
悪い時は、考え方も悪い方を向いてしまう。
私って本当に勝手な女だわ。
そう思うと、口からは、重い溜め息。
その後、煙りを吐き出し、携帯をバッグの底にしまい込んだ。