彼は、理想の tall man~first season~
chapter.23
―中條 side―
「あの男の子、なんか綺麗だよねぇ?」
「本当だぁ。しかも、なんかおいしそぉ~」
「もう、なに言ってんのよぉ。でも、なんか芸能人の、誰かに似てなぁい?」
「誰かって誰よぉ」
――フハハハハッ。
隣から嫌でも聞こえて来る、鼻につく声と話し方。
それから笑い声。
尚輝も俺も全く相手にしていないんだから、その時点で空気を察して帰ってもよさそうな気もするが――。
軽くイライラしながら、ステージでピアノの前に座っている青年へと目を向けた。
確かに綺麗な横顔ではあった。
静止した状態で、真正面から見たらどうなんだろうな。
どうでもいい事ではあったが、そう思いながら吸ってもうまく感じなかった煙草の灰を灰皿に落とした。
曲名はなんだったか?
CMかなにかで聴いたことのある有名なクラシック曲が、彼の指から繰り出されていた。
彼女が働いていたというBARは、思っていた以上にお店の雰囲気は悪くはなく。
こういう曲を聴きながら、ゆっくり酒を飲むのも悪くない気がした。
ただ、それは隣に座ってる女がいないという事に限るが――。
「あの男の子、なんか綺麗だよねぇ?」
「本当だぁ。しかも、なんかおいしそぉ~」
「もう、なに言ってんのよぉ。でも、なんか芸能人の、誰かに似てなぁい?」
「誰かって誰よぉ」
――フハハハハッ。
隣から嫌でも聞こえて来る、鼻につく声と話し方。
それから笑い声。
尚輝も俺も全く相手にしていないんだから、その時点で空気を察して帰ってもよさそうな気もするが――。
軽くイライラしながら、ステージでピアノの前に座っている青年へと目を向けた。
確かに綺麗な横顔ではあった。
静止した状態で、真正面から見たらどうなんだろうな。
どうでもいい事ではあったが、そう思いながら吸ってもうまく感じなかった煙草の灰を灰皿に落とした。
曲名はなんだったか?
CMかなにかで聴いたことのある有名なクラシック曲が、彼の指から繰り出されていた。
彼女が働いていたというBARは、思っていた以上にお店の雰囲気は悪くはなく。
こういう曲を聴きながら、ゆっくり酒を飲むのも悪くない気がした。
ただ、それは隣に座ってる女がいないという事に限るが――。