彼は、理想の tall man~first season~
「一応か・・・・・・。まあ、一応でも受付やって給料を貰ってるなら、うちの会社の、先ず顔になってる訳でしょ?」
「――はい?」
「仕事中にもそんな強烈な香水つけられてたんじゃ、社の品格に拘わって来る問題だからね」
「仕事中は気をつけてます」
「当り前だろ。仕事中にそんな強烈なニオイさせてたら、社長が黙ってない。ただ、可能性の問題だ。俺が言いたいのは――今、現に異臭を放っている訳だから、そうならないとも限らないってこと。解るかな?」
キツイ香水も、それから酔っているとは言え――それが甘ったるいとでも思ってんのか、バカっぽいしゃべり方。
「わざわざご忠告ありがとうございますぅ。でも、今はプライベートな時間なんだから、別にいいじゃないですか!」
「だったら勝手に付いて来るって、どうなのかね?」
「っそれは――」
「お互い干渉されたくない者同士だ」
「――ぇ」
「良い週末を」
キレたらヒステリックな女に化けそうな受付の女2人も、それからトモコちゃんも、ポカンとしていた。
「敦さん、行こう」
「ああ」
が――構わず席を立った。