彼は、理想の tall man~first season~
さっきのバーテンからカクテルを出されて、そのカクテルグラスに口を付けて飲む彼女。
お酒に強い方だと思ってはいたが、こういう環境が彼女をそうさせたのか――と、俺は遠目で彼女の姿を見ていた。
「あっ、美紗だ! 中條さん、ちょっと私呼んで来ますね」
別にいいよ――と、思ってもみない返答をする間を与えられることはなく。
トモコちゃんはカウンターに向かってしまった。
いきなりここに俺がいる事を、彼女はどう思うのか?
多少不安に思いながらも、俺はその場を動かず。
柏木君と話をしながら、彼女がここに来るのを待った。