彼は、理想の tall man~first season~
chapter.03*

お酒のおつまみになりそうなものを作りながら、味見程度にそれを摘んで、こっそりと飲む。

そして、2人が飲むペースなんて分からないから、深入りしない適度にビールを運んだ。


「美紗、なんだか今日は随分気が利くな」


尚輝のそんな言葉は完全に無視した。

だけど――ミサって? と。

中條氏が尚輝と私の顔を交互に見ながら、字はどう書くのかと聞いて来た。


尚輝がメモ用紙に丁寧に私の名前を書き始め、書いたそれを中條氏に渡すと、彼は――ふぅん、ってな雰囲気。


双子だと、名前だとか漢字だとかを、良く聞かれたりもするから、きっとそんな感じなんだろうと、私は勝手に解釈していた。


「なんか、芸能人みたいな名前だね」

「え? どの辺がですか? 初めていわれました」

「なんか、響きとか、漢字の雰囲気とか」

「そう、ですか?」


中條氏のまさかの返しに、正直驚いた。

そして、向けられた顔に、私はやっぱり、なんだかドキッとしていた。
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