彼は、理想の tall man~first season~

まぁ、普段だって、意識を余程集中させていないと、フランクになんて話せないけど。

やっぱり――今の私の悩みは、この関係性に尽きる。


世の中には、簡単にあっさり距離感を縮められる人もいるかも知れないけど。

私には、やっぱりなんだか難しい。

今までの彼氏とは、なんだかんだ距離を縮めてから始まった感じだったし。

こちらから何かをしなくても、相手の方から――っていう雰囲気があったから。

特段こんなに悩むこともなく。

ってまぁ、それは、私が他に気にしていたことがあったから、というのもあるけど・・・・・・。


理想の彼氏が出来ても、それでいいのかって考えたら、そうではなくて。

次は今のこの関係の均衡、つまりはバランスを程よく保てるように、努力するのみ――なんだけれど。

ただ、頭の中で何回もその事を考えようにも、私の行動が全く伴っていないから、効果も意味あったもんじゃあない。


敦君は、年上なだけあって、尚輝や晃の性格に合わせていると思うから、私が今のままの調子だと、多分この先、敦君も今の調子な気がしてならない。

今日、智子やマサ君に接する敦君を見て、なんとなくそんな気がしたんだ。
< 505 / 807 >

この作品をシェア

pagetop