彼は、理想の tall man~first season~
「そもそも、私みたいなのが相手にしてもらえるなんて、思ってないし」
尚輝にイーッて顔して、そう呟いた。
だけど、相手にしてもいいならしたいもんだけどね――と。
中條氏のそんな言葉が微かに聞こえて来た。
真に受けたら、またバカを見ると思った私の口からは――
「酔ってます?」
なんて、またバカなことを口にしていて。
「酔ってないよ。冗談でもないし」
軽くそう返され、なんだか逃げ場を失った状態に立たされた。
だけど、そのタイミングで、無言で尚輝が動いたので、どこ行くのって抗議の目を向けると、「トイレ行ってくる」と。
色気もへったくれもないことを言って、スタスタと行ってしまった。
リビングに残された、中條氏と私。
超、気まずい――っていうか、超気まずいから。
まだまだ飲みが足らないと思って、ビールを一気に飲み干した時。
トイレに行ったハズの尚輝が、戻って来て――尚輝と視線が絡み合った。