彼は、理想の tall man~first season~

「それじゃ、夜、なにが食べたいか、考えといて?」

「はい」


多分、敦君の友人2人と行かなかったとしても、敦君と一緒にご飯を食べる可能性は秘めている。

それなら本当に、夜なにが食べたいか考えておこぉっと。



どうせ付き合っても――とか。

どうせ付き合うなら――とか。

恋愛が苦でしかなかった私。

イケメン希望で。

背の高いメンズ希望で。

それなら多少性格が悪くても、とか思っていたこともあったけど。

ひねくれていただけなのかも知れない。

暇な時にどこか行こうと誘われて、行きたくなくても、断るのが面倒で億劫だった昔の私は、気乗りもしなければ、特に楽しいとかもなく。

ただ一緒にいるだけ、とか、そんな感じだったけど。

相手の違いだからなのか?

私が多少成長したからなのか?

こうも違うものかと、自分でも驚く。


「明日は、確かゴルフだったよね?」

「はい。早朝ゴルフです」

「早朝って、何時なの?」

「えっと、6時~6時半には始めてます」

「そんなに早いの?」

「はい。昼間は人が多いし、なんだか時間が勿体なくて」

「それで早朝なんだ」
< 555 / 807 >

この作品をシェア

pagetop