彼は、理想の tall man~first season~
「それじゃ、夜、なにが食べたいか、考えといて?」
「はい」
多分、敦君の友人2人と行かなかったとしても、敦君と一緒にご飯を食べる可能性は秘めている。
それなら本当に、夜なにが食べたいか考えておこぉっと。
どうせ付き合っても――とか。
どうせ付き合うなら――とか。
恋愛が苦でしかなかった私。
イケメン希望で。
背の高いメンズ希望で。
それなら多少性格が悪くても、とか思っていたこともあったけど。
ひねくれていただけなのかも知れない。
暇な時にどこか行こうと誘われて、行きたくなくても、断るのが面倒で億劫だった昔の私は、気乗りもしなければ、特に楽しいとかもなく。
ただ一緒にいるだけ、とか、そんな感じだったけど。
相手の違いだからなのか?
私が多少成長したからなのか?
こうも違うものかと、自分でも驚く。
「明日は、確かゴルフだったよね?」
「はい。早朝ゴルフです」
「早朝って、何時なの?」
「えっと、6時~6時半には始めてます」
「そんなに早いの?」
「はい。昼間は人が多いし、なんだか時間が勿体なくて」
「それで早朝なんだ」