彼は、理想の tall man~first season~

断るのももうしんどい、とか。

別に悪い人ではないし、とか。

まぁ、多少気も合うからいいかな、とか。

そんな理由が付き合った経緯なんて――。

過去の相手には今更本当に申し訳ないけれど、凄く失礼な態度だったと思う。


でも、この恋に関しては、過ちを繰り返さない気持ちの選択は出来ていると思う。


あの時、空港でイエスの答えを口にしていたのは――。


自然な気持ちの流れで、敦君とそうなりたいって、思ってのことだったよね?


いやいやいやいや、ここでそれを疑問に思っても、ねぇ。

今、そうだと私が思うなら、きっとそうだし。


誰にも見られていないし、覗かれてもいない、心内。

会うたびに、ときめいて。

離れたくないという気持ちが膨れているのだから――間違いのない恋なんだと思う。


「そろそろ、着くみたい」

「あ、はい」


いよいよ、だ――。

どんな反応をされても、私は平常心で応対するしかない。
< 558 / 807 >

この作品をシェア

pagetop