彼は、理想の tall man~first season~
断るのももうしんどい、とか。
別に悪い人ではないし、とか。
まぁ、多少気も合うからいいかな、とか。
そんな理由が付き合った経緯なんて――。
過去の相手には今更本当に申し訳ないけれど、凄く失礼な態度だったと思う。
でも、この恋に関しては、過ちを繰り返さない気持ちの選択は出来ていると思う。
あの時、空港でイエスの答えを口にしていたのは――。
自然な気持ちの流れで、敦君とそうなりたいって、思ってのことだったよね?
いやいやいやいや、ここでそれを疑問に思っても、ねぇ。
今、そうだと私が思うなら、きっとそうだし。
誰にも見られていないし、覗かれてもいない、心内。
会うたびに、ときめいて。
離れたくないという気持ちが膨れているのだから――間違いのない恋なんだと思う。
「そろそろ、着くみたい」
「あ、はい」
いよいよ、だ――。
どんな反応をされても、私は平常心で応対するしかない。