彼は、理想の tall man~first season~

それが、本当に恋をしている相手だと――嬉しくて、なんだか恥ずかしくて、照れくさくて。

胸底が、徹底的にこそばゆい。

これがそうでもない相手だと、どういう反応をすればいいか、戸惑うだけなんだけれど。


「松本から噂には聞いてはいたけど、本当にいい感じなんだ」


更なる長山さんからの冷やかしに、もう本当にどうしたらいいのやら――自分の顔が赤いのは確実だと悟った。


「美紗ちゃんは、今いくつ?」

「えっと、24です」

「24? 若っ!!」

「でも、もうすぐ25になりますけど」

「いやいや、いいねぇ。その歳くらいの子が、付き合うには丁度だよ、なあ?」


長山さんと藤本さんは、お互いに何かに納得賛成って感じなんだけど。

その歳くらいの――って、その意味が、私には理解出来なかった。


「30超えて同い年くらいの子と付き合うって、結構大変だからね」

「そう・・・・・・なんですか?」


藤本さんが、徐に口を開き、私の中ではやはりその意味が消化出来ない。


「年齢が、色々なプレッシャーになるんだよね」

「藤本は、彼女の方が年上だから、特にだよなぁ」
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