彼は、理想の tall man~first season~
「中條は、」
「ん?」
「お前の事は俺には謎が多過ぎて、あんま見えて来ねぇけど」
「ははっ、そうかよ」
「そのレベル程度の俺が思うにだな――」
「なんだよ」
「中條には、お前と同じペースで歩ける人が合うかもな」
「なんだ、それ」
「最初は、中條が相手にペースを合わせてたとしても、多分、中條は途中で息が詰まるだろ」
「―――」
「だから、そういうお前に、ついていけるようなタイプで。しっかりしてて、男がいなくても生きていけるような――」
「それ、俺不要じゃねぇか?」
「いや――逆に中條が、俺がいないとダメだろって、追いたくなるような――な? そういう子が俺から見てベストだと思うけど」
「難しいな、それ」
「そうか? 彼女、意外とそんなタイプな気がするけど? 天秤が偏り過ぎず、いい感じのバランスで、ゆっくりゆっくり均衡状態に――みたいな」
長山は、千里眼か?
深くを知らずとも、全てを悟っているのか?
ほんの数時間で、まさかとはおもうが――読みとしては、鋭い所をついてる。
長山家の商売柄、そういう術というのは、自然と身についていたんだろうか。