彼は、理想の tall man~first season~
「なにがいいんだよ?」
ひとりで盛り上がっている感じの長山さんに、少し疲れたように、そう放った敦君。
すると長山さんが、
「今度の集まり、女子高生でよろしく」
私に向かって、理解し難いことを口にした。
「女子高生ってなんですか?」
「格好が、女子高生じゃないとダメってこと」
「――はい?」
「あ、他にはナースとか、チャイナ服とかね、色々あるんだけど」
「なんだよ、それ?」
敦君同様、本当に、なんだよ、それ?って感じ――。
「いや、きちっとした披露宴なら服装もそれなりにってなるんだろうけど、微妙じゃん?」
「微妙か?」
「女性って、アバウトでも、それなりの格好って考えちゃうもんだろう? そうなると、お金かけさせちゃうだろうから、女性陣はコスプレでって、嫁と考えたんだよ」
長山さんの意図することが理解出来て、こちら側のことも考えてくれてのコスプレに、私はなるほど納得だった。
「いろんな人が、いろんな視点で楽しめるように、ってな――風変わりでいいだろ?」
「風変わりって――長山」
敦君は、俄かには信じ難いという表情で長山さんを見ていた。