彼は、理想の tall man~first season~

「あの、それって、絶対に女子高生じゃないと、ダメなんですか?」

「他のがいい? 下手したらイモジャーとかあるけど?」

「え? イモ――えっ?」


イモジャーって。

何かの罰ゲーム?

一瞬、自分の耳を疑ったくらいの衝撃だった。


「それって、出たままの恰好でピアノを弾くんです、か?」

「そうだね」

「あの、それなら、やっぱり、制服の方がいいです・・・・・・」


それこそイモジャーなんて持っていないし。

それでピアノを弾くとか、想像しただけで、恥ずかしくて無理だ。


「良かったな、中條」

「なにがいいんだよ」

「だって、女子高生姿なんて、なかなか見られる機会なんてないだろ?」

「・・・・・・まぁな」

「なんだよつれない反応だな。女医の方が良かったか?」


女医もあったんだ――。

なんだか、とんでもない宴になりそうな気がしないでもないけど。

それはそれで、楽しそう――って思った方がいいのかな。


「制服まだ持ってる?」

「んー、多分。実家に電話して聞いてみますけど。母親から、何に使うのか聞かれるのがちょっと怖いですね」
< 589 / 807 >

この作品をシェア

pagetop