彼は、理想の tall man~first season~
私が恋にも結婚に対しても、無関心を決め込んいると、理解してくれているっぽい母。
お見合い話は私じゃなくて、尚輝に言って来たんだ。
母も大方、断ろうという感じで尚輝に相談がてら話を振ったんだろうけど。
味方だと思っていた尚輝に、言われたくなかったことを言われて、私のテンションは急降下。
「今回は母さんに俺が断ってやったけどな、俺が断らなくても親父がおばさんに、電話で余計なことはするなってキレたみたいだ」
「そうなんだ・・・・・・良かった」
因みにおばさんというのは、父の妹にあたる人だ。
ホッとした。
それが本音。
だけど気が緩んでいた直後。
「逆に、美紗にいい人いるのかって母さんが騒ぎ出して――」
尚輝はそこで目を泳がせた。
その反応から、お母さんが尚輝の嘘を本気にしたんだって、解ってしまった。
「お母さん、何か言ってた?」
「会ってみたいだと」
「ふぅん・・・・・・なら、もう別れたって事にしとくからいいよ」
「そしたら、お前見合いさせられるかもよ」
「なんで!?」
「条件は中々いい人みたいで、結構乗り気っではあったんだよな」