彼は、理想の tall man~first season~

「お前ら、俺の美声に惚れるなよ」

「お目出度い奴だな」

「ほんとにな」


こういう部分では異様なポジティブさを発揮する藤本さん。

本当に、面白い人だなと思いながら再度ピアノに移動して、練習を再開した。


練習の途中、本当にシャワーを浴びて戻って来たマスター。

そのマスターに曲のアレンジを頼み込んだ。

金曜の夜にお店で弾くことを約束させられたけど。

譜面も書いてくれるなら、と。

嫌がるマスターに更なるお願いを取り付け、どうにか口説き落とし。

18時前には嬰から退散。

そして、4人で焼鳥屋さんへ移動した。


「はい、お疲れ~」

「「お疲れ」」

「お疲れさまです」


藤本さんは焼肉がいいと言っていたけれど。

焼肉って――色々微妙だと思ってしまった私。

気持ちのままに顔を顰めていたらしい私を気遣って、機転を利かせてくれて、長山さんは肉は肉でも鶏でどうだと言ってくれて。

焼鳥屋さんて、女同士ではチョイスしにくいお店だったりするから、私は私で焼鳥屋さんに興味があって。

藤本さんも、焼鳥イコールビールと騒ぎ出し。

お座敷のある焼鳥屋さんへ移動して、現在に至る感じだ。
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