彼は、理想の tall man~first season~

ただ残念なのが、チョイスした焼鳥屋さんに酒種が少なく。

私は、ビールを飲む3人を横目に、生レモンサワーなんて飲んでいたりする。

ビールは飲むには飲むけれど、正直そこまで好きではなく。

スッキリした物が飲みたくて、強い炭酸が苦手な私は、マドラーでクルクルかき混ぜて、炭酸を飛ばしていた。


「美紗ちゃんは、あんまりお酒飲めない感じ?」

「――え?」


藤本さんから、不意にそう聞かれ、クルクル動かしていたマドラーの手を止めた。


「本気で飲んだら、藤本よりも飲めると思うぞ」

「はぁ? マジ? そんなに飲むの?」


敦君の言葉に固まる私と、目を見開く長山さんと藤本さん。

敦君に、かなり話を盛られているような気がしてならないんだけど。

私って、敦君から見たら、そういう印象なんだろうか・・・・・・。


「どれくらい飲むの?」

「どれくらい――と、言われても――どれくらいなんだろう」


お酒の量を言葉に置き換えて伝えるのは、なんだか難しい。

それに、その日の体調の善し悪しもあるから、自分でも実際、よく分からない。


「俺の彼女も多少でも飲めりゃあ、ちょっとは楽しみが増えるんだけどな」
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