彼は、理想の tall man~first season~
『もういいわー本当いい。私は恋なんてもうしない。あっ、理想の男以外はだけどね。どっちにしても、女ひとりでも生きていける道を探すわ』
『もったいないなぁ~ミサはいい女なのにぃ』
『私はトモコになりたいわ』
『またまたぁ、それはない』
『あるから! ふんわり可愛いトモコちゃん』
『もう、ヤメてよ! 恥ずかしいじゃん』
「なあ、女の慰め合いって、ハタから聞いてんと、どんだけだよって、突っ込みいれたくならねぇ?」
「そうか?」
「お前、本当に、他人に無関心だよなぁ~」
無関心もなにも――赤の他人のことだろうが、と。
小川の言葉に、無視を決め込んだ。
『ねぇ、もうこの際さぁ、どっかの事務所に入っちゃえばいいじゃん』
『んー? あー、おとといだったかな、スカウトされた』
『オロッ! マジ? 遂にやる気になった?』
『なーんない』
『うわ、勿体ない!!』
『これ以上、無駄に目立つの、本当に無理』
『いいじゃん! やればいいのに、モデル』