彼は、理想の tall man~first season~

『もういいわー本当いい。私は恋なんてもうしない。あっ、理想の男以外はだけどね。どっちにしても、女ひとりでも生きていける道を探すわ』

『もったいないなぁ~ミサはいい女なのにぃ』

『私はトモコになりたいわ』

『またまたぁ、それはない』

『あるから! ふんわり可愛いトモコちゃん』

『もう、ヤメてよ! 恥ずかしいじゃん』


「なあ、女の慰め合いって、ハタから聞いてんと、どんだけだよって、突っ込みいれたくならねぇ?」

「そうか?」

「お前、本当に、他人に無関心だよなぁ~」


無関心もなにも――赤の他人のことだろうが、と。

小川の言葉に、無視を決め込んだ。


『ねぇ、もうこの際さぁ、どっかの事務所に入っちゃえばいいじゃん』

『んー? あー、おとといだったかな、スカウトされた』

『オロッ! マジ? 遂にやる気になった?』

『なーんない』

『うわ、勿体ない!!』

『これ以上、無駄に目立つの、本当に無理』

『いいじゃん! やればいいのに、モデル』
< 6 / 807 >

この作品をシェア

pagetop