彼は、理想の tall man~first season~

笑えば爽やか――だけど、こういう時はポーカーフェイス。

まだ、性格も手探りなのに――ポーカーフェイスじゃ、尚更思っていることなんて解らない。


敦君の正面は藤本さんだから、恐らく話は聞いているんだろうけれど、会話に加わることはない。

それは、敦君がこういう時に無反応だって解っているから、長山さんが藤本さんの話し相手になっているのか――。

それとも、長山さんがこういう時、話し相手になるから敦君が敢えて口を出さないのか――。

単純に、この手の話が嫌いなのか――。

でも、嬰に居た時は少なからず口を衝いていたし。

んー、どうなんだろう?

友達のこういう話って、多少なり何か言いたくなってもおかしくない気がするけど。


まあ、私がひとり考えていた所で、なんの答えも出ないから、考えるだけ無駄――だけど。

相手との付き合い方を、キチンと考えた方が良いというのは、学べた気がする。




『失礼します』

指定していた5分が経過したらしく、生ビールが運ばれ――。


「すみません! 串盛り、もう少々お時間下さい」

最初ビールを頼んだ際、同時に頼んでいた串盛りは、まだ焼いている途中らしく、店員さんはそれを断って出て行った。
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