彼は、理想の tall man~first season~
「煙草吸う女って、どう?」
そう中條氏に聞いていた。
その問いに、自然と私の視線は中條氏へと移り、何故か答えを緊張しながら待っている私がいた。
「――個人の自由、だろ」
それは、特に気にしないというか、吸っても構わないということなのか。
「自分の女って立ち位置でも、それは変わらない?」
尚輝は更に、深く突っ込んだ質問を投げていた。
「マナーとTPO、それをわきまえた喫煙者なら特に気にしない、な」
それを聞いて、心の中でガッツポーズをしている辺り、気持ちはグラグラと動いていたのかも知れない。
けど――
「敦さんさぁ」
尚輝がそう口を開きかけて、なんだか嫌な予感に襲われた。
「酒が強くて煙草も吸う、173センチの女って、許容範囲内? 許容範囲外?」
「――っ!!」
ちょっと、何言ってんの!!
叫びたくなった尚輝の問い。
それに該当していたのは、正に私で――思いっきり尚輝を睨んだ。
許容ってなによ、失礼な!!
本人目の前に、聞くことじゃないし、チョイスする言葉じゃないでしょ、と。
血が沸騰しそうなくらいの怒りを感じた。