彼は、理想の tall man~first season~

敦君が逆にそういう対象で私を見ているのか、謎だ。


あっ――でも、昨日の夜のあのキスは?

その場限りでの感情でないのなら、きっと私はそういう対象にはなっていると思ってもいいってことにはなるんだろうけど。


――なんだ、これ。

まるで、自分から敦君と、どうにかなりたいみたいな思考。


でも、こういうこって、間違っても、どうでもいい相手なら思わないことだよね?


基本的な部分としては、やっぱり相手に全てを曝すなんて嫌だけど――。

でも、心のどこかで、そうなってもいいって、思う私はきっといるからで。

それは、多少なり前向きに、私が恋愛というものを捉えはじめたってことで。

自分を客観視すると、そういうことになるのかな――。


* * *


「へぇ、それで日曜日は一緒にご飯食べたんだ」

「――うん」

「美紗にしては頑張ってんじゃない?」

「そうかな」


毎週恒例のヨガ終わりに智子とカフェディナー。

恋愛話に花というよりは、智子から一方的に聞かれたことに答えて――なんとなく、この前の週末の話になった感じだけど。

私がこういう話をしていること自体、こそばゆい。
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