彼は、理想の tall man~first season~

「うん。まあ、出会って付き合って、即エッチなんてのは、流石にどうかと思うけど」

「――うん」

「真面目にお付き合いを始めてさ、」

「うん」

「時間が経てば経つにつれて、お互い手探りな感じになっちゃって。今更感とか出ちゃた日には、もうどうやってそうなるんだかって感じだし。しにくくなっちゃうと、そういう雰囲気にする労力とか、無駄に使わないとだし、考えないとだし。逆にどうしたらいいんだかな展開で、面倒だって思うようになる」

「そ、そうなの?」

「いや、なんてゆうか、そういう雰囲気って、どっちかが、チラッとでも出してればいいと思うの。そういうこと、自分はする気ありますよ――的なさ。相手にそれを意識させておけば、あとはお互いの雰囲気とタイミングでってことな訳だし」

「そっか――でも、それって、どうするとそう見せられるものなの?」

「えっ?」

「あ、ううん――いい、今のは気にしないで」


智子が瞬時に目を見開いたから失言だったと、気付かされた。

まるで、私が――そのアピールをしたいとも取られかねない発言。


なんか――この間から、確実におかしくなってる。

そんな自分に戸惑う。
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