彼は、理想の tall man~first season~
「――それは、」
直ぐに言葉には出来なかった。
晃と出来て、当時の彼氏と出来なかった理由は――。
それは、相手を信用出来るか出来ないか、だったりしたから。
絶対に言わないというか、言えない関係の間柄になり、協定を結んだ晃と。
友達とかに、何かの拍子になにかしゃべられるんじゃないかって不安のあった彼氏。
信用していたのは晃で。
彼氏は全く信用出来なかっただけの話。
付き合いの形云々より、その人をどれだけ信用出来ていたか、いなかったかの話だ。
それに、全てを晒すとか――。
ちょっと仲良くなって付き合ったからといって、私には簡単なことではなかった。
「美紗――別に、話したくないなら無理には聞かない。けど、完璧に自分を見せようとしなくても、いいんだからね」
「――え?」
智子の言葉に、頭を鈍器で殴られたような。
そんな鈍い痛みがはしった。
「私から見て、美紗は、超完璧ってワケじゃないけど・・・・・・どこか完璧で、カッコ悪い所は人には見られたくないとか、見せられないとか、そんな感じに見えてた」
「―――」
「あ、別に、それがダメってことじゃないよ?」
「――うん」