彼は、理想の tall man~first season~
偏執的な考えかも知れないけれど、私より結構背が高い男の人なら、それは可能なんじゃ――って思っていた部分は確かにあって。
人としての器だとか、そういう部分以外で、身体的に頼れそうな――そういう人が私の理想の先にはあった。
なんでも出来そうだと人から思われると、下手なことは出来なくなって、常に完璧を追い求めるようになっていて。
気付いたら、その習性が身についていて。
我が儘は、尚輝か気心の知れた晃にしか言えなくなっていたんだよね。
「中條さんなら、それが出来そうかなって思ったけど、美紗的にはどうなの?」
「んー、私、変に構え過ぎなのかな? 年上ってこともあってさ、普通に会話が出来ないの。もう少し親しくなれば、そうでもなくなるんだろうけど。だから、まだそこまでは――」
「そっか。まぁ、でも、美紗の性格ならそうかもね。たまにしか会わないなら、それはそれで納得かも」
私の性格を理解してくれている智子は、妙に納得した雰囲気。
こういう恋愛話は、私に彼氏がいる時だけだったから、ここ最近はしていたけど。
それでも、私の性格まで掘り下げて話すことなんてなかったから、ちょっと調子が狂う。