彼は、理想の tall man~first season~
私が諦めたら、それで、ジ・エンドな雰囲気もあるし。
理想の相手だからといって、付き合い方まで理想形になることはない――か。
寧ろ付き合い方は、理想とは程遠い。
一緒にいられる時間は、嫌にドキドキして、変に気も張ってるから、逆に疲れたり。
好きだけではどうにもならない現実が、胸をジリジリさせる。
まだ始まったばかりなんだし。
会えない日が続くと、どうも思考が悪い方へと傾いてしまうのは、多分私の悪い癖だ。
ごちゃごちゃ考えながら入っていたお風呂は、尚輝が想定していた時間より長かったらしく。
出たら尚輝に小言を言われたけれど、疲れも手伝って、翌日の準備を手早に済ませ部屋に戻った。
寝る前にふと思い出して確認した駅での着信は、尚輝から。
やっぱり今日も敦君からの連絡はなかったということに、多少気落ちもしたけれど、明日会社が終わったら連絡をしようと心に誓って、私は床に就いた。
翌日、朝から資料の作成に追われていた私は、午前中なんとかそれを仕上げ、パートさんと一緒にお弁当を食べていた。
女子社員が少ない私の会社は、派遣社員は使わず、女子社員はパートさんが主体の会社だ。